Reading Circle vol.26 report -読書会レポート-2/25(sun)
Reading Circle vol.26 on Feb.25 後記
ベリーダンスの歴史を学ぶルハニのReading Circle 第26回は2/25(日)に開かれました。
一足先にお雛祭りを楽しもうと、いつもに増してたくさんのお菓子が持ち寄られ、ロゼのシャンパンを開けて賑やかに始まりました。
「Grandmother’s Secrets」第4章のテーマは「儀式のダンス-The Ritual Dance-」。
この日は「誕生のダンス-The Birth Dance-」のパートを読みました。
中東の暮らしの中で、おめでたを迎えた女性が、家族や地域社会によってどのように支えられ、見守られてきたかが紹介されていきます。
「・・・アラブ諸国では、分娩は、病院と医者に取って代わられるまで、女性だけのものでした。一部の地域では、現在も女性のみで行われています。出産は特別に用意された部屋で行われ、女性の親戚と近所の女性たちが集まります。出産に立ち会う前に、女性たちは手と顔、足を3回洗い、精神的、肉体的に浄化します。・・・誕生に立ち会うことは、誉れ高きこととされます。誕生の部屋の上には天国の扉が開かれ、天使達があふれるとされていて、すべての願いは天国に直接届き、神に聞き入れられると信じられています」。
そして、日本でもほんの数十年前まで見られたような光景が描かれていきます。
「年長の女性がコーランを詠唱し、妊婦がリラックス出来るようにします。他の女性たちも妊婦のために祈ります。部屋は女性たちの柔らかな祈りの声で満たされます。・・・助産婦をする年長の女性は通常、すでに閉経した女性が選ばれます。というのも、月経のサイクルから解放されると、女性は精神的に成長するからです」。
続いて、ベリーダンスの原型ともいえる、儀式としての「誕生のダンス」が始まります。
「・・・陣痛の間隔が狭まってきたらすぐに、二つの石とわずかな土が持ち込まれます。土は出産する女性の前に撒かれます。土に血や羊水を吸収させ、それらを母なる大地に戻すためです。・・・女性たちは妊婦を囲んで円になり、お腹をウェーブさせながら、優しく低い声で歌い始めます。このムーブメントは出産の動きに似ていて、妊婦の産道が開くよう促します。・・・妊婦の息切れやうめきは、女性たちの規則正しいリズムの中に取り込まれていき、女性たちの存在と踊りが、これから母となる女性をトランスの世界へと引き込んでいきます。それにより彼女は痛みと折り合いをつけ、それを力へと変え、自分の身体を信じ、この状況に委ねることが出来るようになります」。
さらに、途中で逆子と分かったときに、女性たちが力を合わせて行うなんともユニークな対処法や、生まれたばかりの赤ちゃんに捧げる人生最初の祈り、そして後産まで大切に見届ける様が、細やかに美しく描写されていきます。
「誕生のダンス」を読み終えてから、皆で、自分が生まれた時の様子について母親から聞いた話、あるいは自分が出産した時の話を語り合いました。地域によっては助産婦さんがまだ残っていたという方もいましたが、多くは病院で生まれた世代。この本で描かれているような、親しい女性たちの歌とダンスに守られての自宅出産は、まさにお伽噺のようです。実際は様々なリスクと隣り合わせだったと思いますが、それでもなお、女性から女性へと知恵を受け継ぎ、生命の奇跡を間近に見ることが出来た時代は、今よりもずっと心豊かなものだったに違いありません。普段何気なく踊っているボディウェーブのムーブメントを、これからはもっと慈しみ、心を込めて踊りたいと思いました。
次回のReading Circleは3/25(日)12時から、テーマは「トランスダンス-The Trance Dance-」と「弔いのダンス-The Mourning Dance-」です。中東や北アフリカで今も行われている、儀式としてのトランスダンス。その起源と意味を探ることで、Zarを踊る時により深く入っていけるかもしれませんね。翻訳の分担は終わっていますので、単発でのご参加も大歓迎です。ぜひご一緒に!
Zelal記
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更新日:2018.03.20 Tuesday