Reading Circle vol.25 -読書会レポート-
Ruhani Bellydance Arts Reading Circle vol.25 on January 21, Sunday
ベリーダンスの歴史を描いた「Grandmother’s Secrets」を読み解くリーディング・サークル。
第25回は、大雪の前日、小春日和の暖かな昼下がりに開催されました。
この本の最後の章となる第4章のテーマは、The Ritual Dance(儀式のダンス)としてのベリーダンスです。
ベリーダンスは今日まで、多くのアラブ諸国において儀式の側面を色濃く残し、人生のそれぞれのステージで、1人の女性の生涯と共にあり続けてきました。この日のテーマはThe Menstruation Dance(月経)、そしてThe wedding Dance(結婚)です。
「・・・アラビア語でrahil(覚醒、旅立ち)と呼ばれる月経のダンスは、通過儀礼のダンスです。少女が初潮を迎えると、家族や親戚、友人などすべての女性たちは、この偉大なる催事のために集まります。女性たちが手をつないで作った円の中心に、少女は歩み出ます。女性たちはゆったりと踊り始め、1人の女性が少女に何か問いかけをするよう促すと、少女は恥じらいやタブーなしに尋ねます。すると経験豊かな女性たちが誠実に答えます。・・・女性たちにとってもその儀式は子供の頃を思い出させてくれる贈り物なので、その場の雰囲気は優しく力に満ち、エネルギーが循環しています。
過渡期にある少女は壊れやすく繊細なので、大人の女性の世界へと安全に導かれなければなりません。そこは、無邪気さと生命溢れる野生とが出会い、優しい少女が誇り高き1人の女性と成長する場所なのです。」
そして、初潮の儀式において少女の手足をヘナで染める理由や、円を作る女性たちが、甘くしたミルクとなつめやしを回して食す理由が解き明かされていきます。リーディング・サークルでも、日頃ヘナで髪を染めたり、手のひらに絵を描いて楽しんだり、なつめやしを食べたりする方が多いのですが、それらが中東の儀式においてこんなに重要な意味を持つことを知り、新鮮な驚きでした。
読み終えた後、それぞれ赤飯でお祝いしてもらったり、恥ずかしくて誰にも言えなかった思い出などを語り合いました。そして改めて、儀式とは本来深遠で大袈裟なものではないこと、自分の人生に起きるごく普通の出来事一つ一つが“儀式”なのだと感じました。それを親しい人たちと分かち合うことにこそ、人生の喜びがあるのかもしれません。
続く「The Wedding Dance結婚のダンス」では、中東の結婚式にとってベリーダンスが切っても切り離すことが出来ない存在であることが語られていきます。
「・・・結婚式に参加した女性たちがみな思い思いにベリーダンスを踊った後、式のハイライトである新婦の踊る番がやってきます。女性たちは全員座り、絵画の額縁のように新婦のダンスを囲みます。彼女は恥じらうことなく、新郎のために初めて踊ります。彼女はその女性性をすべて花開かせ、夫と女性たちに見せつけます。ベリーダンスは、新婦にとってその女性性を表現する最も直接的な機会であるとともに、新郎にとっても、自分の妻がどんな女性なのかを発見し、女性としての威厳をたたえる彼女を鑑賞する機会なのです。」
そして、お色直しがSeven Veilsや月の暦に由来を持つことや、ベドウィンの女性たちの官能的な髪のダンスについて、語られてゆきます。リーディング・サークルの中に間もなく挙式する方がいるので、最後に皆でKhaleejiハリージダンスを踊り、祝福を分かち合いました。一冊の本をきっかけに自分の人生の意味を考え、互いに深め合うこの読書会は、まさに「読む瞑想」の場になりつつあるようにも感じました。
次回のリーディング・サークルvol.26は、2月25日(日)12-15時です。
テーマは「The Birth Dance誕生のダンス」と「The Trance Danceトランスダンス」です。ご参加される方はスタジオにてノーラさんにお申し込み下さい。初めての方、単発の方も大歓迎です。翻訳はご担当頂かなくても大丈夫。皆でお話をしていることで、とても深まります。それではお楽しみに!
後記 by Zelal
読書会 2月のテーマは「The Birth Dance誕生のダンス」と「The Trance Danceトランスダンス」 2/25(sun)
更新日:2018.02.07 Wednesday