Reading Circle vol.23 -読書会レポート-
Reading Circle Vol.23
11/19日曜の昼下がり、ルハニのスタジオで23回目のリーディング・サークルが開かれました。
今月はSema-旋回-をテーマにしたスペシャルな回。
13世紀を生きたイスラム神秘主義Sufiの詩人Rumi(Mevlana)を描いた、 トルコのTV局・TRT制作のドキュメンタリーを観賞し、皆で心ゆくまで旋回するというもの。 リーディング・サークルに初めて参加する方もいて、とても賑やかに和気あいあいと会が始まりました。
ルーミー廟のあるコンヤへ行ったことのある参加者の方が持ってきてくれた、 貴重な本や美しい図版のページをめくりながら、Rumiの生い立ちや、 彼が残した美しい言葉の数々についてシェアしました。 そして、まるでRumiと一緒に旅立つように、その生涯と思想を描いた映像世界へと入っていきました。 番組の一部をご紹介しましょう。スーフィー音楽には欠かせない重要な楽器、 Nay(ネイ/葦笛)について語った言葉です。Nayはペルシャ語で葦(アシ)を意味し、 現在も葦を素材に作られているといいます。
「...葦笛は、"真の故郷"から引き離された"魂"を象徴しています。 これこそ、メヴラナの有名な詩が『葦笛に耳を傾け、なぜそれほどまでに 嘆き悲しんでいるのか、聞きなさい』という言葉で始まる所以です。
葦笛は、その憂鬱で物悲しく心を揺さぶられる音色によって、神への憧れと、 引き離される前に群生していた葦原へ還り、再び一つになることへの切望を表現しています」。
Rumiによると、私達の魂は元々神とともに天界にいましたが、 その場所から切り離され、地上に下り、人の姿を与えられたといいます。 それはまさに、広大な葦原に群生していた葦が切り離されることと似ています。 葦笛は、そんな人間の姿を象徴しています。神は自らの身体から万物を創ったと されますが、人を創るときにしたことは、息を吹き込むことだけでした。 それゆえ、葦笛の音色は、神の息であると考えられています。
突然目の前の霧が晴れるような、鮮烈な言葉の数々。 そしてその後に大きなうねりとなって押し寄せる、恍惚と幸福感。 私達は、まるで光のシャワーを浴びるかのように、Rumiの言葉を全身で受けとめていきました。
番組を見終わり、思い思いに感想をシェアし合った後、 参加者の方が持ってきてくれたセマーの音源をかけてみました。 穏やかな光に満ちたスタジオに、ネイの素朴で美しい音色が響き渡ると、 その場にいた一人一人は、内側の声に衝き動かされるかのように 自然と旋回に入っていきました。 光に包まれた無我の世界をイメージし、身体から意識が流れ出し溶けていくのを感じながら...。 美しい立ち姿でゆったりと回るノーラさんや、シスターたちの存在をそばに感じながら...。
旋回を終えた時の安心感、心地よい疲労感には、今まで感じたことのない豊かさがありました。 そして、あたかも一度死んだのち再生したかのように、身体が驚くほど軽くなり、 今自分はここにいる、という不思議な確信がありました。
Rumiの教えに、"Know thyself"、「汝自身を知れ」という言葉があります。 それは、ただ学び頭で理解するだけではなく、感じることの大切さを説いているのだといいます。 参加した皆が深い感銘を受けたという、美しい表現があります。
「...私達は風にはためく旗のよう。でも自らは何もしていません。 はためかせているのは風です。風の姿は目には見えません。神の存在とは、そういうものです」。
次回の開催は12/17(日)12時から。 Walking and Whirling「歩くことと旋回すること」という章を読み、 ダンスの観点から旋回を深めます。また、10月のVeil danceの章をおさらいし、 ベールを使って踊ります。いずれもベリーダンスを踊っていく上で、 深いインスピレーションをもたらしてくれる内容です。ぜひご一緒に楽しみましょう!
次回の読書会の情報はこちら http://bellydancearts.jp/news/1876/
2017.11.20後記 Zelal
更新日:2017.11.22 Wednesday